博士の就活に関する書籍を紹介
博士に関する情報を掲載している本メディアですが、表に出ている博士の情報がそもそも少ないため、ネットに限らず書籍を探すことも多いです。
そんななかで見つけた「大学院生・ポストドクター向けの就職活動マニュアル」な書籍を、今回は紹介します。修士・博士学生のみならず、ポストドクターと呼ばれる、博士号取得後に任期つきで研究職に従事する方も対象としている、なかなか珍しい一冊です。
本書の編集に携わったのは、株式会社アカリクさん。大学院生で就活をしようと思ったら、この名前を目にしたり耳にしたりしたことが一度はあるのではないでしょうか。

アカリクさんは、大学院生の就職・採用支援に特化した事業を展開する企業。2017年時点で、のべ10万人以上の大学院生やポストドクターの就職活動を支援してきたそうです。
そんなアカリクさんが編集に携わって、2017年に改訂新版として発行されたのが本書です。
本書の構成は、2章から成ります。
I章 就職活動をする前に知っておきたいこと
II章 大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル
II-1 就職活動に向けて準備しよう
II-2 就職に役立つ情報を集める・使う・活用する
II-3 行きたい業界・企業を研究する
II-4 合格に近づく書類の書き方
II-5 会社説明会に参加しよう
II-6 適性検査を制する
II-7 押さえておきたい面接のポイント
II-8 内定獲得以降の流れ
II-9 文理・学歴別就職活動アドバイス
I章では、「大学院生やポストドクターがどんな心構えで就活に臨めば良いのか」など、就活を行う上で意識すべきことや知っておくべきことが書かれています。マーケティングの視点で自己分析の手法が提示されている点も面白いです。
II章では、「就職活動マニュアル」という名を冠している通り、就活で直面するステージごとに、どんな対策をすれば良いのかなどが詳細に記載されています。
筆者自身は就活時に本書を読んでいないため、「この本を読んで就活を乗り切った!」とは言えませんが、実際に読んでみた感想を3点ほど簡単に綴ります。
まず1つ目、情報の専門性について。タイトルに「大学院生・ポストドクター」と書かれている通り、研究活動に勤しむ大学院生・博士研究員に向けた情報を掲載しているのが、本書の特徴です。就活の心構えなどを記載しているI章は、大学院生やポストドクターに寄り添った内容になっています。
ただ、就活対策が書かれているII章では、大学院生・ポストドクターに特化した情報は少なく、一般的な就活情報・ノウハウが主に掲載されています(就活の主な対策は、最終学歴に依らないということなのかも?)。
2つ目として、個人的に面白いと感じたのが「文理・学歴別就職アドバイス」という章です。この章では、修士・博士・ポストドクターそれぞれについて、就職活動のポイントが明記されています。しかも、文系・理系別に!「さすがアカリクさん!」と思わされる一章です。
最後に3つ目、本書の読み方について。「シューカツの方法がつかみきれない修士・博士のための完全”時短”ガイド」と帯に書かれているのですが、2段組の構成で222ページにわたる大ボリューム。「時短なのか……?」という感想を抱くくらい、内容がこれでもかと詰め込まれています。
就活直前に読むよりは、「就活ってなんだろう?」と疑問を持ったときに目を通してみて、就活の全体像を掴むのが良いかなと感じました。「準備、企業研究、自己分析、書類選考、面接、内定獲得後」と就活で発生するイベント全てを時系列順に網羅しているので、大学院生の就活の流れを理解するには良い書籍です。
例えば、博士学生さんであれば、博士課程に進学した頃にまずはさらっと目を通してみるのが良いかもしれません。実際に就活を始めた際に、ご自身が直面している就活イベントに相当するページを再度読み進めると、就活のヒントが得られるのではないでしょうか。
博士学生をはじめとする大学院生やポストドクター向けの就活情報は、世の中にはあまり出ていないため、本書は貴重な情報源だと思います。本記事を通して、少しでも内容が気になった方は、大学や近くの図書館で借りたり、本屋さんで購入したりしてみてください!


