博士のキャリアに関する書籍を紹介
今回は、現役の博士学生さんにオススメしたい、博士のキャリアパスを覗ける書籍を、簡単に紹介します。博士修了後にアカデミアの道に進まれた方にもオススメな一冊です。
今日紹介するのはコチラの書籍!
東京大学フューチャーファカルティプログラム(東大FFP)という、東大に所属する大学教員を目指す大学院生や教育力向上を目指す教職員のためのプログラムが中心となり、企画・制作された書籍です。初版は2017年に発行。
本書の構成は、2部から成ります。
第1部 キャリアパスに関する基本情報
40ページにわたり、大学やキャリアパス、研究者のライフプランに関する基礎知識を記載。
第2部 75名が語るキャリアパス
東大FFPの修了生を中心とした総勢75名の博士人材のキャリアパスを、時系列図やキャリアに関するエピソードとともに紹介。学生時代や卒業後に転機となった出来事や当時の思いなどをエピソードとして書き起こし、一人あたり見開き1ページで掲載。
第1部では、博士号取得者のキャリアパスの全体像、各キャリアを歩む上で準備しておいたほうが良いことを、仕事だけでなく結婚・出産などプライベートな人生設計に関することも含めて書かれています。
第2部では、さまざまな専門分野から総勢75名の方々の、キャリアに関するインタビューの内容が掲載されています。分野に偏りがあるものの、人文科学、社会科学、理学、工学、農学、保健、教育と7つの専門領域について、それぞれのキャリアパスを垣間見ることができます。文系・理系問わず、博士人材のキャリア情報を知ることができるメディアは数少ないので、本書は貴重な情報源と言えます。
本書の気になる点としては、東大生が多く、アカデミアで活躍される方々がほとんどなことです。民間企業に就職した博士人材のキャリアパスを知りたい方が読んだら、期待外れになるかも。
一方で、多種多様な分野で活躍される75名もの博士人材のエピソードを読むと、「それぞれ試行錯誤しながら、キャリアを歩んでこられたんだなぁ」と皆さんの努力がひしひしと伝わってきます。
理想のキャリアみたいなものを思い描いても、なかなか現実がうまくいかないことはほぼ確実ですよね(笑)。たとえ思った通りにいかなくても、自分はダメだとか、この道を選んだのは間違っていたとか思うのではなく、その方向を選んだ自分の持っているオリジナリティやパーソナリティをどうやったらキャリアに活かせるだろう、と第一に考えてほしいと思います。
人文科学・美術史学 柏智久さん (本書59ページより引用)
キャリア形成と言っても何をすればいいのかって、私もわからなないし、誰しもわからないと思うんですけど……私は「研究を頑張ること」「学会に多く参加して知名度を上げること」「海外での滞在研究のチャンスを得ようとすること」を心がけてきました。
工学・知能機械情報学 金崎朝子さん (本書204ページより引用)
困難に直面したときの、多種多様な試行錯誤や発想の転換が、本書には詰まっています。博士学生さんやアカデミアで頑張る若手研究者の方にとって、今後のキャリアや研究活動におけるヒントが、何かしら得られるのではないでしょうか。
本記事を通して、少しでも内容が気になった方は、大学や近くの図書館で借りたり、本屋さんで購入したりしてみてください!


